絵を描くことで得られるもの
この春 絵を描くことを始めませんか
2024年。この春、絵を描くことを始めてみませんか?
「絵を描く」という行為は、誰かのためにするものではなく、まず自分の思いから発せられるものです。
それを描いてできる作品の、一番の鑑賞者は自分です。
絵は、花を描いても、山を描いても、猫を描いても、それは自分の心と目と手を使ってできるものなので、どんな絵でも「自分自身」なのです。そういうと、なんだか敷居が高く感じる人もいるかもしれませんが、自分で描いた絵を、ただ自分で眺めることで、客観的に自分の内面と向かい合うことができるのです。それは、新しい自分との出会いです。
でも自分は絵心がないかもと思っているあなた、絵は人と比べて競うものではありません。
学校の図画工作、美術の時間に、あたかも「上手い」「下手」と自分が分類されているような気持になった経験のある方はとても多いのではないかと思います。しかし、「上手い」「下手」で成績をつける項目は一つも存在しないのです。簡単に言うと「自分のこだわりを詰め込んで自分の作品をどれだけ愛したか」だけなのです。
でも、考えてみてください。決められた時間内に、出された課題にこだわりを持って愛して作り上げることができる人は、多分限られています。「どの授業も自分にとって大切だから、この時間を大事に集中するぞ!」と思える仲間関係の中で生活していた人か、もの作りが好きな人、その時の先生と気が合うと感じた人・・・。なので、「気が乗らないけど、この時間は課題をしないといけない」と思って我慢して過ごした人にとって「自分は、絵心がないから下手」という記憶で今の自分が作られているのかもしれません。
「絵心」は、誰でも持っています。自分から思い立って「ちょっと、筆持って絵を描いてみるか。」と思えたことが絵心です。そして、自分の絵を最初に(楽しもうと決めて)鑑賞するのは自分であり、自分がどんな表現をしているのか、離れて客観的に自分の絵を見たらどんな世界に見えるのかというのを感じて「ほう、なかなか面白いじゃないの。私の絵はいいね。」と楽しむのが一番の目的なのです。「あーだめだなあ。こんなんじゃ!」と思わず、必ず「うん、面白いね、いいじゃないの。」と思うことが大事です。そう思って楽しんでいたら、自分の新しい面が発見できるのです。自分以外の人がどんなことを感じるかについては、全くその人たちの自由なのです。
※展覧会で入賞しなければ(みんなに認められなければだめだ)と思っている人は自由に楽しむのは難しいです。
今、新しいことを始めようと考えるタイミング
3月に入り、あっという間にひな祭りが終わり、啓蟄。地中にいた幼虫たちも、次の進化のために地上に出てくる季節になりました。
一つの区切りが来て、今まで準備してきたいろいろなことを形にして、新しいことを始めようとするタイミングです。
長い間、学校に勤めて、子育てもしていると、3月4月は怒涛の日々で、一瞬にして過ぎ去る感じでした。自分にとって、3月は誕生月であり、1年の中で最も周りに感謝しながら、ゆっくり味わいたい1か月なのに、いつの間にか、長い長い間、その思いに目を瞑って過ごしてきました。
一番の理解者である自分のことを大切に生きることが、今まで自分に関わってくれた人たちへの何よりの恩返しになると思えたのは半世紀以上生きてからのこと。でも、そう思って毎日を生きていくと、特に目に見えて大きな変化はないものの、自分が今していることに、小さな喜びや自信を感じられるようになってきました。
画家活動を始めて、楽しさと喜びと同時に、時々、同じかそれ以上の不安がやってきます。
でも、それも感じながら、毎日、小さな喜びに感謝しながら過ごしています。
現在、毎週水曜日の17:00から19:00まで、大分市コトブキヤ文具店駅南店(097-545-3432)の3階で、絵画教室「アートな水曜日」を開いています。一昨年の11月から始めて、絵を始めようと訪れた生徒さんたちと、楽しく制作しています。絵を始めようと思ったきっかけや、それぞれの絵に対する思いや描いてみたい世界は異なるので、色々な作品と出会えて自分の世界も広がります。
絵を描くことを始めてみようと思ったら、家で自由に描いてみることも楽しいと思いますが、最寄りの、自分の生活時間に合った教室に行ってみるのもお勧めです。大抵、見学に行って、通い始めるのも、休むのもやめるのも自由な教室が多いと思います。私が開いている教室もそのような感じです。けれど、自分の作品ができ上っていくのは楽しいですし、お互いの絵を見ても、それぞれの世界なので、参考にしたり、しなかったり、だけど気に入ったところは取り入れたりと、一人で描くよりも安心して自分の技量(自分が描きたい世界を描ける技)も身につけていけます。
絵を描くことで身につくもの
絵を描くことで、身につくものとは何でしょう。
1 自分の気持ちを落ち着かせて自分の内面を見つめる時間がとれるようになる
例えば、花一凛を前において、じっくり見ながら絵を描く。その時、いつも「きれいね」と見ている花から、花びら一枚一枚の中にある何色もの絵具から作られる美しい色の変化や、小さい突起物がありざらざらしている優しい黄緑色の葉など、今まで気が付かなかった花の様子を見ていく中で自分の内面を見るように絵を描いている自分がいる。自分の気持ちが、瞑想しているかのように落ち着く瞬間を体験できます。
2 自分以外の、自然の変化や、何気ないものへの感謝や感動を感じる目を持つようになる
絵を描く時間を自分の生活の中に取り入れていくと、次は何を描こうかという目で周りを見るようになります。今日の空はきれいだなあと思って空を見ると、青い色も日によって、時間によって違うという事に気づき、それに気づいた自分に感動することができるでしょう。生活の中の小さい発見が喜びになったり、感謝の気持ちが芽生えたり・・・生活の中に喜びが増えていくでしょう。
3 自分の絵を描いたり飾ったりすることで、日ごろの生活の中でアート作品への興味が広がり、生活が楽しく豊かになる
自分が絵を描くようになると家に絵を飾る機会が増えてくるでしょう。絵以外でも、日ごろから色を注意深く見るようになるので、部屋の中の色の調和などにも気を配るようになるでしょう。お皿やカップの色や形、テーブルクロスと家具の色の組み合わせの美しさなど、今までより気が付くことが増えるようになるかもしれません。
日ごろの生活の中で、アート作品への興味が広がっていくと、きっと生活が楽しく豊かになっていきます。
「絵でも描いてみようかなあ。」と思っている方がいたら、ぜひ、この春始めてみませんか?
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